市営交通のこれから(2011年~)

駅の安全・快適を 目指して(2011年 -平成23年-)

可動式ホーム柵

可動式ホーム柵はお客さまをホームからの転落や列車との接触から守るための設備で、列車の扉と連動してホーム柵の扉が開閉します。平成15年3月27日に営業を開始した上飯田線での使用開始に続き、桜通線では23年1月22日の中村区役所駅から、順次使用を開始しました。さらに、利用者数の多い東山線では27年9月7日の高畑駅から、名城線・名港線では令和2年5月25日の名古屋港駅から順次使用を開始し、現在、上飯田線、桜通線、東山線及び名城線・名港線の全駅に設置しています。
鶴舞線については、令和8年開催予定の第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)までの整備完了を目標としています。

中村区役所駅で行ったホーム柵使用開始式でスイッチを押す様子

中村区役所駅で行ったホーム柵使用開始式

東山線可動式ホーム柵

東山線可動式ホーム柵

名城線・名港線可動式ホーム柵

名城線・名港線可動式ホーム柵

駅リニューアル

開業当初に建設され、老朽化が進んだ栄駅などについて、昭和54年から大規模改修をしてきたほか、平成元年7月から開催された世界デザイン博覧会に合わせ、会場の最寄り駅となる市役所、金山、日比野、名古屋港、西高蔵、神宮西、名古屋の7駅の改修を行いました。
さらに、12年11月に施行された「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」に基づき、地上からホームまで階段を使用せず移動できるよう、全駅へのエレベーター設置を進めました。
現在、令和元年度より、明るく清潔感のある駅とするため、開業後50年以上経過した駅について、駅全体の壁・床・天井・照明などのリニューアルを進めています。さらに、名古屋駅、栄駅、金山駅を名古屋の顔としてふさわしい駅となるように、また、駅の個性化を図るために、駅施設の再配置や店舗などの配置についても検討しています。千種駅では、令和4年度の完成に向けてリニューアル工事を進めています。

千種駅西改札(リニューアル前)

千種駅西改札(リニューアル前)

千種駅西改札(リニューアル後)

千種駅西改札(リニューアル後)

千種駅出入口上屋(リニューアル前)

千種駅出入口上屋(リニューアル前)

千種駅出入口上屋(リニューアル後)

千種駅出入口上屋(リニューアル後)

より安全・便利なバスへ(2016年 -平成28年-)

運行支援システムの導入やドライブレコーダーの強化

安全かつ適正に市バスを運行するため、画像や音声により運転士をサポートする「運行支援システム」を平成28年4月1日に全車両へ導入しました。このシステムは、運行経路の間違えやすい場所などで、正しい進行方向を知らせる「進路指示機能」や、バス停で所定の発車時刻より早く発車しようとしたときなどに注意喚起する「遅早発防止機能」を備えています。
そのほか、ドライブレコーダーは、20年10月より導入を開始し、24年度までに全車両へ導入しました。エンジン回転数等も記録できるデジタルタコグラフがついており、取得した記録を事故防止だけでなくエコドライブにも活用しています。また今後、バス車両の更新にあわせて、解像度の高いカメラへの更新、万が一の際に状況確認が難しい左後方へのカメラ増設など、ドライブレコーダーの機能を強化する予定です。

運行支援システム

運行支援システム

市バス左後方のカメラ

市バス左後方のカメラ

バス全車両ノンステップバスの導入

平成29年3月に、より多くのお客さまに楽に乗車していただけるよう、全車両がノンステップバスとなりました。ノンステップバスは、出入口に階段がなく、車両中央部に2台分の車いすスペースを設けています。乗降時の車高調整装置を搭載しているほか、車いすやベビーカーをご利用のお客さまがそのままご乗車いただけるよう、スロープ板を備えています。
平成9年3月から、超低床ノンステップバスの導入をはじめ、12年11月に施行された「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」や、16年1月のノンステップバスの標準仕様化などにより導入が進みました。
令和3年12月現在、ノンステップバスの在籍車両は1,017両です。(全車)

超低床ノンステップバス

超低床ノンステップバス

超低床ノンステップバス乗車の様子

超低床ノンステップバス乗車の様子

市バス車内の車いすスペース

車いすスペース

駅の魅力向上(2019年 -令和元年-)

「ヨリマチFUSHIMI」開業

平成11年に久屋大通駅駅構内でのコンビニエンスストアの開業を皮切りに、相次いでコンビニエンスストアが開業しました。その後、コンタクトレンズ専門店などの物販店舗や、カフェ、ベーカリー、調剤薬局など新たな業態も加わり、多様な店舗が拡充され、駅の利便性が向上しました。また、駅構内やバスターミナル内では、自動販売機、コインロッカー、金融機関ATMや宅配受取ロッカーなどお客さまのニーズに合わせ、様々な施設を設置しています。
令和元年12月11日には、駅の利便性及び魅力をさらに向上させるため、「ミチからマチへ~Fushimi Crossing Place~」をコンセプトに、多数の店舗を一体的に展開する駅ナカ商業施設「ヨリマチFUSHIMI」を伏見駅で開業しました。「普段使いをより魅力的に」をテーマに、駅利用者の日常生活に魅力を添える商品やサービスをそろえた店舗が出店しています。

ヨリマチFUSHIMIロゴマーク

ヨリマチFUSHIMIロゴマーク

ヨリマチFUSHIMI中改札方向

ヨリマチFUSHIMI 中改札方向へ

新型コロナウイルス感染症対策(2019年 -令和元年-)

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るうなか、市民生活や経済活動を支える重要なインフラである市バス・地下鉄は、深夜時間帯の一部運休を除き通常どおり運行しています。
また、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止し、お客さまにより安全・安心にご利用いただくために、施設や車両において様々な感染防止対策に取り組んでいます。当初より、市バス・地下鉄とも全車両で換気扇を常時使用した換気を行い、一部の窓を開けての走行や、市バスでは、始終点でのドアを開けた車内換気を行っています。また、令和3年3月から7月末にかけて、順次、市バス・地下鉄全車両に抗ウイルス・抗菌加工を実施したほか、駅や車両の日常清掃にあわせて、消毒液を使用した消毒を実施しています。
そのほか、市バス運転席や地下鉄駅長室、改札窓口にビニールカーテンを設置し、乗務員、駅員などもマスクを着用し、感染予防に努めています。

抗ウイルス・抗菌加工済ステッカー

加工済ステッカー

地下鉄の清掃

地下鉄の清掃

市バスの清掃

市バスの清掃

市バス運転席へのビニールカーテンの設置

市バス運転席へのビニールカーテンの設置

市営交通のこれから

交通局では、現在、少子化・高齢化のさらなる進行に伴う人口構造の変化、南海トラフを震源とする大規模地震などの自然災害などを取り巻く状況の変化に適切に対応するとともに、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)、リニア中央新幹線(品川-名古屋間)の開業などを見据えて、計画的に対応していく必要があります。そのため、平成31年3月に令和元年度から5年度までを計画期間とする「名古屋市営交通事業経営計画2023」を策定しました。
この計画では、「『新たなステージへ』私たち名古屋市交通局は、安全最優先のもと、快適さ、便利さを積極的に高めることにより、誰もが安心して利用できる市バス・地下鉄を目指します」を理念として定め、「安全・安心の推進」、「快適・便利の向上」、「まちの活性化への貢献」および「安定した運営基盤の確立」を重点施策とし、局一丸となって取り組んでいます。

そして、令和4年8月に市営交通は100周年を迎えます。「これからも、街を結ぶ。人をつなぐ。」交通局は決意を新たに、経済状況や人口構造の変化といった社会経済情勢の動向、「新しい生活様式」の定着による利用動向の変化などをふまえながら、安全を第一に、安心・快適でより便利な交通サービスをお届けします。

  • 名古屋市本庁舎
  • 黄電車両
  • 市電車両
  • グリーンとクリーム色の市バス車両
  • 一般的な市バス車両
  • 東山線N1000形車両
  • 鶴舞線N3000形車両
  • リニューアルした駅のトイレ