設備・車両ガイド

省エネへの取り組みについて

バスや地下鉄の利用が地球を救う

今、全世界で省エネが叫ばれています。
地球温暖化という言葉をあなたも聞いたことがあるでしょう。ものを燃やしたりするときにできる二酸化炭素が今地球上で増えつつあり、二酸化炭素が持っている温室効果で地球の気温が上昇して、地球環境の破壊が危惧されている現象です。
現在、世界中で二酸化炭素の発生を抑えようと努力していますが、このためにはできるだけ省エネ化を進めなければなりません。
バスや地下鉄は自家用車に比べてとても省エネなので、公共交通機関を利用することは、地球温暖化の防止にも大きな効果が期待されています。

バスや地下鉄はとっても省エネ

鉄道は、他の交通機関に比べてエネルギー効率が大変高い乗り物です。
下図は、人一人を1km運ぶのに要するエネルギーを表しています。
これを見ると、鉄道は自家用車に比べてわずか6分の1のエネルギーで済むことがわかります。

  • エネルギーの比較画像

地下鉄が省エネの理由

地下鉄が省エネである理由には、
(1) レールの上を車輪で走るため走行抵抗が非常に少ない。
(2) 一度にたくさんの人を運べるので効率的。
(3) 渋滞がないので、無駄な加速や減速をしなくて済む。
などの理由が挙げられます。

また、名古屋の地下鉄では「電力回生システム」を採用して、さらなる省エネ化を図っています。

電力回生システムとは、電車がブレーキをかけるときに特別な仕組みを施したもので、電車を走らせるために使うモータをブレーキ時は発電機として動作させることにより、電車のもっている走行エネルギーを電気に変換し、その発生した電気を、電気を供給する架線やサードレールに戻し、他の電車に供給するシステムです。簡単にいうと、ブレーキをかけると電車がミニ発電所に早変わりして、他の電車が走るための電気を供給するのです。ですから、とても省エネなのです。

電力回生システムの有無の違い

  • 電力回生システムがない場合

    電力回生システムがない場合
  • 電力回生システム採用の場合

    電力回生システム採用の場合

変電所にも省エネの工夫を採りいれています

変電所は、本来は電車に電気を送るための設備なのですが、右の写真にある「回生インバータ」という特別な装置を付けて、電車からの電気を吸収できるようにしているところもあります。
回生インバータを付けると、電車のブレーキ時に発生した電気は、他の電車だけでなく、変電所を経由して駅の照明や空調の電力としても再利用できることになるのでさらに効率的になります。

「回生インバータ」という特別な装置

省エネ型車両の導入率は100%

電車が実際に走るのに使った電力と、再利用した電力の比を回生率と呼んで省エネ化の目安にしています。
名古屋の地下鉄では、回生率は30%から50%に達しており、非常に高い省エネ化を示しています。
また、昭和52年に初めて省エネ型システムの電車を鶴舞線に導入して以来、現在では、地下鉄の全車両が省エネ型電車になっています。