設備・車両ガイド

変電設備

地下鉄では、電車の走行用、駅の照明やエスカレータなどの電気設備用、安全運転に不可欠な信号設備用などに非常に多くの電力を必要としています。これらの電力を供給するため、変電所は、電力会社から電力を購入し、電車や各駅の電気設備が使いやすいように電圧などを変換しています。地下鉄が1年間で電力会社から購入する電力量は、地下鉄全線で約2億キロワットアワーです。一般家庭が消費する電力量は1年間で3千6百キロワットアワー程度ですから、ずいぶん多いことがわかります。地下鉄の変電所は全線で30か所あります。全て無人で稼働しており、電気指令室という施設から遠隔で監視・制御しています。
「画像は名古屋市交通局第2那古野変電所」

名古屋市交通局 第2那古野変電所の写真
変電所機器

変電所は、電力会社から交流の6,600ボルト、33,000ボルト及び77,000ボルトという高い電圧の電気を受け、これを電車や各駅の電気設備などへ供給に適した電気に変換しています。
電車用には、整流器で交流を直流に変換し、東山線と名城線には直流600ボルトを、鶴舞線、桜通線及び上飯田線には直流1,500ボルトを供給しています。
「画像は整流器」

整流器の写真

駅の電気設備用などには、変圧器で電圧を交流の3,300ボルト又は6,600ボルトに下げて、駅の配電室に送電しています。駅ではさらに100ボルトや200ボルト等の低圧電気にして、照明やエスカレータ、信号設備などの電気設備に供給します。
「画像は変圧器」

変圧器の写真

地下鉄では省エネルギー化にも、積極的に取り組んでいます。
電力回生インバータ装置は、電車がブレーキをかけるときに発生するエネルギーを回収して、駅の電気設備用電源として有効利用するための装置です。また、電車のブレーキを安定して利かせる効果もあります。
「画像は電力回生インバータ装置」

電力回生インバータの写真

電力会社の停電に備え、非常用発電機を備えています。
非常用発電機では、電車を走らせる能力はありませんが、各駅の重要な電気設備に電力を供給することが出来ます。
「画像は非常用発電機」

非常用発電機の写真
電気指令室

電気指令室では、電車が運転中はもちろんのこと、深夜も変電所の検査などがあることから、24時間体制で係員が監視・制御を行っています。
電気指令室と各変電所間は、専用の光回線で結ばれており、変電所の状態が手に取るようにわかるほか、ここから変電所機器を遠隔で制御できます。
「画像は電気指令室」

電気指令室の写真