設備・車両ガイド

電路設備

電力会社から購入した特別高圧(77,000V・33,000V)の電力は、地下鉄の変電所で高圧(6,600V・3,300V)に変換を行い、各駅の配電室に送られています。さらに配電室では、駅に設置された照明、エレベータ、自動改札機、放送装置、信号装置等の各種電気設備に適した低圧(400V、200V、100V)に変換し、電力を供給しています。

  • 電気の流れのイメージ図

    電気の流れのイメージ図
  • トンネル内の配電線路

    トンネル内の配電線路
  • 駅配電室

    駅配電室
  • 分電盤

    分電盤
  • 駅照明設備

    駅照明設備

送配電線路

送配電線路は、送電線路、高圧配電線路及び低圧配電線路に分類され、地下鉄のトンネル内に沿って敷設しています。

送電線路

送電線路は、電力会社の変電所より地下鉄変電所へ電気を送るもので、架空又は地中線によって送られてきます。地下鉄変電所から地下鉄変電所へ送っている送電線もあります。

高圧配電線路

高圧配電線路は、地下鉄変電所から各駅の配電室に地下鉄のトンネルを利用して敷設されており、電圧は、東山線が三相交流3,300V、その他の線は6,600Vの高圧電気です。
この高圧配電線路は用途別に2回線を設置しています。

低圧配電線路

  • 低圧配電線路

    低圧配電線路
  • トンネル照明の様子

    トンネル照明の様子
  • トンネル内の作業用電源箱

    トンネル内の作業用電源箱

トンネル内に設備されている照明、作業用の電源などに電気を供給するために、トンネルに沿って低圧配電線路を敷設しています。この配電線路の電圧は、交流の200Vです。

配電室設備

地下鉄変電所から高圧配電線路で送られてきた3,300V又は6,600Vの高圧電気は、各駅にある配電室で400V、200V又は100Vの低圧電気に変換され、照明設備、機械設備、信号設備、駅務設備、防災設備等に供給しています。
配電室は、電圧を変換する変圧器、異常時に電源を切り離すしゃ断器等で構成されています。従来は、機器をむき出しで配置した開放型が主流でしたが、最近では安全性と保守性に優れたキュービクルタイプが主流となっています。
また、停電時に備えて配電室に蓄電池を内蔵した直流電源装置を配備しています。もし、地下鉄の駅が停電しても蓄電池から非常灯に電気を供給して、一定の明るさを確保します。

配電設備の形式

  • 開放型

    開放型
  • キュービクルタイプ

    キュービクルタイプ

東山線や名城線の配電室は、パイプフレームに銅母線や機器で構成された開放型が主として採用されていましたが、鶴舞線・桜通線では人に対して安全であり、機器をほこりから守るという役割を持ったキュービクルタイプとなっています。
キュービクルタイプの表面には、電圧、電流を読取る計器、機器の状態を表示するランプ、機器を操作するためのスイッチ類が配置され、保守性の優れた構造となっています。

配電室の機器

  • 変圧器

    変圧器
  • しゃ断器

    しゃ断器
  • 低圧配電盤

    低圧配電盤
  • 直流電源装置

    直流電源装置
  • 直流電源装置(蓄電池部)

    直流電源装置(蓄電池部)

変圧器は、高圧の電気を低圧に変換します。
しゃ断器は、機器や配線に異常がある場合、自動的に電気を止めて事故を防ぎます。
低圧配電盤は、変圧器によって低圧に変換された電気を、ここで各電気設備に分配、供給します。
直流電源装置は、充電器と蓄電池から成り立っており、停電時に駅の非常灯、配電室機器の制御用電源として利用します。非常灯は、随所に40Wの電球を設備し、停電時に30分以上の点灯時間を確保します。

照明設備

駅における通常の照明設備には、一般灯、保安灯があります。一般灯と保安灯は別々の高圧配電線路から電気を供給し、どちらかが停電しても一度に消灯しないような工夫がしてあります。一般灯は、駅構内や事務所内の照明で、主に40Wまたは32Wの直管型の蛍光灯、またはLED照明を使用しています。保安灯は、一般灯と全く同じものを一般灯の配列の中に一定の割合で配置しています。
そのほかに、広告照明設備、防災用設備としての非常灯及び誘導灯、旅客案内のための案内標示灯、駅居室の殺菌灯があります。

一般灯

  • 名古屋駅コンコース

    名古屋駅コンコース
  • 新瑞橋駅階段

    新瑞橋駅階段

    案内標示灯

    • 駅案内標示灯

      駅案内標示灯
    • 地下鉄標示灯

      地下鉄標示灯

      屋外の案内標示灯は、お客様に駅名、出入り口の番号などの案内をするための標示灯です。外国の方にも分かりやすいように、統一されたサインを使用しているほか、英語表記もしています。

      分電盤

      分電盤は、配線用しゃ断器(ブレーカ)の集合体で、照明設備等に電気を供給分配するために駅のホーム、コンコース、出入り口など構内各所に設置しています。配線用しゃ断器は、機器や配線に異常な電流が流れたときに電源を切離し、電気火災などの事故を未然に防止します。

      分電盤

      警報表示・照明遠制盤

      遠隔制御監視盤のなかで、電路設備として位置付けられているのが、警報表示・照明遠制盤です。
      警報表示部は、駅構内の電気設備に異常がおきた場合、ブザー鳴動及びランプ表示させるもので、状況の把握、対処が迅速にできるようにしています。警報の項目としては、配電室内の故障表示、出改札呼出しなどがあります。
      照明遠制部は、駅構内に分散している照明設備の入り切り操作スイッチを駅長室で遠隔制御できるようにしたもので、パターン制御(タイムスケジュール制御)の利用とあわせて、駅業務の省力化を計っています。

      警報表示・照明遠制盤

      自動火災報知設備

      自動火災報知設備は、駅構内各所に煙や熱の感知器を設置し、万が一火災が起こった際にいち早く検知するシステムです。駅長室には、火災受信機が設置してあり、どこで火災が発生したかを知ることができる他、構内各所に設置されているベルを鳴動させたり、拡声装置と連動した非常放送で避難を促します。また、受信機内には非常用のバッテリーを備えているため、停電時でも動作します。

      自動火災報知設備

      太陽光発電設備

      • 太陽電池モジュール

        太陽電池モジュール
      • パワーコンディショナー

        パワーコンディショナー
      • 日射強度と気温センサ

        日射強度と気温センサ
      • 見学者用の表示装置

        見学者用の表示装置

      名古屋市交通局では、地球環境保護の一環として、環境に優しい出力10kWの太陽光発電システムを日進工場に設置し、平成13年4月から本格稼動を開始しました。名古屋市では上下水道局に次いで2番目の施設となります。
      さらに、平成22年7月に新名城合同事務所棟の屋上に出力20kW、平成26年10月に新藤が丘合同事務所棟の屋上に出力40kWの太陽電池モジュールを新たに設置しています。
      システム構成は、太陽電池モジュール・日射強度と気温センサー・接続箱・パワーコンディショナー・データ収集装置及び表示装置より構成されています。
      パワーコンディショナーは、太陽電池パネルで発生した直流電力を、商用電源の電圧、周波数、位相と同期した交流電力に変換します。
      太陽光発電設備の運転データは、パワーコンディショナーの計測部よりデータ収集装置に送られ、記録するとともに表示装置に表示されます。